スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
【--/--/-- --:--】 | スポンサー広告 | page top↑
03.君から卒業


また懐かしいタイトルだな。

(懐かしいよねー。でもネタが出来たんだからしかたない)

恭と一か慎一郎がまだじゃないのか?

ネタが先にできたんだから仕方がない
 それに慎一郎は綾乃とコンビ組ませたいわけよ)

あー……、元ネタが一緒だからなぁ。

(そ、綾乃のパパとママが特殊なんだけどね! パパは予想できるだろうけど
 しかし年齢設定間違えたなぁ……)

もう分かった。分かったからそれ以上言うな!

(えー……。ま、次は長いお題お話でっす! 頑張って読んであげてね★)

文才コレっぽっちも無いけどな。

(ないね!)



桜が散る季節。
桜吹雪の中、俺は小さな石の前に佇んでいた。
左手に撫子の花束を、右手に深緑の包みを持って。

目の前にある小さな石には、
幼い頃の自分の血が滲みこびり付いていた。



硬い土を素手で掘り、爪や指先から血が流れた。
どれだけ手が痛くなろうとも、傷つこうとも、
俺は掘ることを止めはしなかった。

美奈子さんの遺体を埋める為に。

美奈子さんが死んだ時、その場に生き残っていたのは俺と響のみ。
他の奴等は俺が殺した。目覚めた力を制御することが出来なくて。
たくさんの屍が転ぶこの場所で、必死に穴を掘った。

美奈子さんが入るぐらい掘った穴に、彼女の遺体を寝かせる。
その表情はただ眠っているようにしか見えなかった。
溢れ出す涙を拭って、彼女の亡骸に土をかける。
そして、当時は大きくて重かった石をその上に乗せた。
墓石の代わりに。

傷だらけの手で、泣きじゃくる響を抱き上げて。
何も思わない視線を、墓石に止めて。
暫くの間見つめていた。自分に言い聞かせるかのように。

――美奈子さんは、死んだんだ。

そう言い聞かせて。





「あれから、もう17年の月日が流れました」


墓石に話しかけるように、そう呟いて。
そっと撫子の花束を墓石に添えた。
ゆっくりと笑みを浮かべて、愛しく墓石を見つめる。


「貴女が俺にくれた物を、返しに来ました」


右手に持っていた、深緑の包みを開く。
そこには二、三着の執事服。


「これを貰った時はビックリしましたよ。
 ちゃんと成長する体つきに合わせて作ってあったから」



手の中にある執事服は、一着一着ずつサイズが違う。
成長していくだろう体つきを予想して、美奈子さんが作ってくれた物だ。
しかし、予想とはいえサイズがピッタリすぎて驚いた。
ある意味、彼女の才能とも言えるのだろうか。


「そんな才能、持ってても使うときがないじゃないですか」


苦笑しながら、墓石よりも数十cm離れたところに執事服を置く。


「この服のおかげで、俺は心を鬼にすることができました」


罪を犯すときは、いつもこの服を着ていた。
だから汚れていたのは、俺の身体とこの服のみ。
自然とこの服を着た時は、心は冷たく何も深く考えることが出来なかった。

死神になれたのだ。
鬼になれたのだ。
人を捨てられたのだ。


「響も大人になりました。……今は、アイツと幸せそうに暮らしています。
 正直、許せないと今でも思いますけど……アイツも、もう大人です。
 俺はもう必要なくなったんです。守られる必要もなくなったんです」



マッチに火をつけて、少しの間その燃え盛る炎を見つめる。


「だから、もうコレもいりません。……貴女にお返しします」


マッチ棒を手放す。
ゆっくりとマッチ棒は落ちて行き、執事服の上に落ちた。
炎が広がっていく。執事服が燃える。


「俺はずっと、貴女との約束を守ってきました。
 ――たくさんの人を殺しました。たくさんの罪を犯しました。
 それも、……もう終わったんです。響はもう大丈夫です」



赤く、赤く、燃える炎をじっと見つめたまま動かない。
まるで昔の自分のようだと思った。


「苦しかった、悲しかった、辛かった。
 泣き叫んで、死んだ人達に謝りたいとも思ったこともあります。
 次第に、そう思う心も凍ってしまったけれど、奥底で嘆いてました。
 一度だけ、貴女を恨んだ事もあります。『何故、俺だけが』と」



炎から視線を外し、目を伏せる。
走馬灯のように、今までの17年間の月日を思い描く。
暗く、重たい。悲しい記憶。けれど、小さな眩しい光が射す。


「けれど、後悔はしていません。
 貴女が俺を救ってくれなければ、今ココに俺は居ない。
 今まで生きていたからこそ、大切な者に大切な友たちに出会えた。
 だから、ありがとうございました。――母さん」



ゆっくりと目を開き、目の前で燃え尽き炭となった執事服を横目に墓石に微笑む。

今まで心の中で支えてくれて、ありがとう。
生きる術を教えてくれて、ありがとう。
育ててくれて、ありがとう。
守るべきものを、生きがいをくれて、ありがとう。

言い切れない感謝の気持ちがまだまだあるけれど、今日はここまでにしよう。


「お父さーんっ、早くー!!」


ほら、俺を呼ぶ声が聞こえるから。


「あぁ、今行くよ」


もう一度墓石を見つめて、軽くお辞儀をして俺は踵を返す。
罪は恐らくもう犯さない。
俺の大切なものをこの手で、優しく愛しく守っていく為に。

貴女から卒業します。
貴女は俺の初恋の人であったけれど……、貴女はもう俺の二人目の母さんだから。
貴女の支えが無くても、俺は立っていけるから。


隣で笑う自分の息子と手を繋いで、そっと微笑む。
これからは、自分の足で歩いて、自分の手で大切な物を守っていきます――。

だから貴女は、響を見守っていてください。


本当にありがとう、母さん。




+++++
【あとがき】
何が書きたかっただろう★
この時、馨ちゃん27歳、響20歳です。
スポンサーサイト
【2007/12/17 18:35】 | 過去記事 | コメント(0) | page top↑
<<テスト結果 | ホーム | リアイベ>>
コメント
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する

| ホーム |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。